■広がる所得の格差

東京都内の就学援助受給率は23.2%(2013/東京都教育委員会調査)。教育費を負担できない家庭の子どもたしが4人に1人います。こうした家庭の子どもたちは、学校教育以外の教育サービスを享受できず、学力不振を自らの手で解決することができません。

 

【就学援助とは…】

経済的理由により、要保護児童及び準要保護児童の保護者に対し、国及び地方公共団体が就学に関する諸経費(学用品、修学旅行、学校給食、クラブ活動などの費用)を援助する制度

 

■学力の格差

下のグラフは、2008年に文部科学省が実施した全国学力・学習状況調査の結果に基づき、耳塚寛明 お茶の水女子大学教授がまとめたものです。親の収入と子どもの学力の間に明らかな相関があることが分かります。

横軸:親の年収(百万円) 以上~未満

縦軸:点数

■希望の格差

自分が40歳になったとき、やりがいのある仕事をしていると思うかとの問いに対し、一般家庭の子どもの82.5%が肯定的な回答をしています。(回答者は中学3年生) 貧困家庭の子どもの場合、76.2%と数値が減少します。学力だけではなく、将来への希望や夢にも格差が生じています。貧困家庭における高校中退率は、一般家庭よりも約1割ほど高いことが分かっています。東京都であれば、公立高校の授業料は無償ですので、一応経済的な問題は解決されているはずです。彼ら、彼女らが学習を放棄する原因は、経済的な理由だけではありません。

 

■貧困の連鎖

家庭の貧困は、子どもの教育機会を限定し、希望を奪い、さらにそのことが職業選択と将来の収入に大きな影響を及ぼすのです。